拝啓、あなた様
最近、ベレー帽をかぶった方をよく見かけるのです。可愛いなあと思うと同時に、あの帽子は、頭にちょこんと載っているだけのように見えるんだけど、落ちたり脱げたりしないのかしらと、不思議感も持っていました。
春先に羽織るカーディガンが欲しいなあと思っていたところ、あるショップの店先に、春色にコーディネートされたマネキンが立っていました。そのマネキンが羽織っているカーディガンが気になったので、そのショップに足を踏み入れました。
あれこれ見ていると、店員さんが声をかけてくださいました。
あら!
その店員さんもベレー帽をかぶっていらしたのです。思わずこちらからも声をかけてしまいました。
「ベレー帽がお似合いですね。その帽子は、落ちたりしないのですか?」
するとその方は「大丈夫です」と太鼓判を押すようにお答えになりました。どうやら、そのベレー帽は、そのお店の商品でもあるとのことです。続いて売場に案内してくださり実際に帽子を見せてくれました。そして、これこれ、こういう風になっているので、簡単に落ちたり脱げたりはしませんよ、と教えてくださったのです。
それを聞いて納得しました。すると急にわたしもその帽子が欲しくなったのです。お値段もお手頃価格でしたし、カーディガンと一緒にベレー帽も買いました。
ところが、普段、帽子をかぶり慣れていないせいでしょうねえ。外出時に、カーディガンを羽織ることはあっても、帽子をかぶることは忘れてしまうのです。
先日、あるイベントが開催されている広場を通りました。広場中に歌声が響いています。その声がする方を見ると、女性がふたり、舞台に立っていました。お揃いのファッションでマイクを持ち、ステップを踏んでいます。
あっ!
彼女たちも、かわいいベレー帽をかぶっていたのです。
そこで気がつきました。
今日もわたしはベレー帽をかぶっていませんでした。一体、わたしのベレー帽はどこにいったのでしょう。
かしこ
● ベレー帽をかぶった女性デュオさんのことをショートポエムに詠みました。
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