拝啓、あなた様
新庄 耕さんの「地面師たち」を読み、ネットフリックスのドラマも観ました。
ドラマは、小説に変化を加えていて、ハリソン山中の怖さが際立っていました。
今日は、小説の読書感想文を書いてみようと思います。
「地面師たち」を読んで
わたしは、小説の文庫本を読む際、先にあとがきや解説を読む派である。同様に、映画やドラマを見る際も、先に原作を読みたいと思う派だ。
2017年に実際に起こった「積水ハウス地面師詐欺事件」がモデルになっているドラマがあると言う。ネットフリックスのドラマ「地面師たち」がそれである。これを観たくて、ネットフリックスの契約をしたところ、おもしろくて観るのを止められない、という話を聞いた。そう聞けば、原作の小説を読みたい!と思うのは、当然の成り行きだった。
大物地面師・ハリソン山中を頂点とする、不動産詐欺師の物語だ。ハリソン山中は冷酷である。彼の周りにいる人物が、次々と姿を消していく。カリスマ性のある彼に、誰も抗うことができない。おそろしい世界だ。
その中で、唯一ほっとできるのが、長井と拓海の関係だと思う。長井は、バイクの事故で大火傷を負い、その後、人目を避けて暮らすようになっていた。その長井が、地面師詐欺の仕事を通じて、拓海に心を開いていく。そして、人との関わりをシャットダウンしていた長井にも、彼女ともいえる女性との出会いが生まれるのだった。
人は、一人では生きていけない。長井にとって、拓海との出会いは、人生の転機になったと思う。心を閉ざした者が、心開く瞬間。それは、どういった時なのだろう。ハリソン山中が、いかに能力が高い人間であろうとも、長井の心を開くことはできなかった。
長井と彼女、幸せになってほしいと思う。
それを、一番、願っているのは拓海だろう。
人の幸せに少しでも関わることができれば、それも幸せだと思う。
拓海と長井を見て、わたしも、あたたかい人間関係を築ける人間になりたいと思った。
人の心の痛みに気がつける人間になる努力から始めよう。
※「読書感想文の書き方を大人になってから知りました」はこちらです
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