テガミスト*Diary <紙飛行機ドットコム>

手紙好きの、自称*テガミストが書く『手紙のふりをした日記』です

階段お騒がせ未遂事件

拝啓、あなた様

大変、大変!事件発生だわ!
というようなことは無く「なあんだ」で終わってよかった、よかったという話ではあるけれど、わたし自身は慌てたという事件です。

電車に乗るために、エスカレーターでホームに上がりました。電車が来るまでには、まだしばらく時間があった為、ホームにはほとんど人がいません。わたしは先頭車両に乗り込むつもりだったので、先を目指して静かなホームを歩いていました。途中に降車専用の階段があります。電車が到着していないので、今はその階段を使う者はいないはずです。それなのに、人影がある。不自然だわ。わたしの視線はその人影に向きます。

若い女性が、階段の数段を使って寝転がり、スマホを見ているではないですか。
どうして階段でスマホ?
なぜ、寝転がってスマホ?
あー、何てお行儀が悪いのかしら、と思ったのですが、何やらおかしい。
スマホを握ってはいるけど、指が全く動いていない。スクロールもタップも入力もしていない。ただ画面を見てるだけなのかしら?

もしかして、寝てる?
まさか、階段で?
ベンチで座っているうちに眠ってしまうことはあるかもしれないけど、階段に座りこみ、そのまま寝てしまうことなどあるかしら?
もしかして、気を失ってる?倒れている?
えーーーーっ?えらいこっちゃ。

数メートル先に駅員さんの姿が見えます。助けを求めようと走り寄りました。
「階段に倒れているのか、寝ているのか、横になっている人がいるんです」
「えっ!?どこですか!?」
駅員さんも慌てて、すぐにその女性の元に駆けつけてくれました。

「お客さん、大丈夫ですか!お客さん、お客さん!」
その大きな声に反応して、女性は上半身をむっくりと起こしました。
「ん?今何時ですか?」と言いながら自分のスマホで時刻を確認しています。

どうやら、眠り込んでいたようです。しかも熟睡していた様子。
誰かと待ち合わせの約束でもしていたのか、時刻が気になるらしい。
ああ、無事でよかった。
わたしが駅員さんを巻き込んだので、騒ぎになってしまったけど、駅員さんも無事が確認できてホッとしたようでした。

これは「階段お騒がせ未遂事件」とでもしておきます。



        かしこ

 

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