拝啓、あなた様
新型コロナのワクチンを接種した経験があります。毎回同じように、接種後には微熱が出て、体がだるくなり、接種の翌日は仕事を休みました。その仕事を休んだ日は、ベッドに横になり、ゴロゴロしながら寝室で1日を過ごします。それを数回経験した結果、気がついたことがあるのです。ここ数日、体調を崩して仕事を休んでいたので、そのことを思い出しました。
体調が悪くても、人の声が恋しくなるものだ、ということです。
体調が悪い時というは、静かな方が落ち着くのではないかと思っていました。では、無音の室内のベッドの上で静かに過ごしていると、体も心も穏やかになるのでしょうか?いや、どういうわけか、少しでもいいから、音が欲しいと思うのです。その音は、カフェで流れているような静かなBGMだと落ち着くのかというとそんなこともありません。音楽よりむしろ人の声が流れている方がよかったです。
寝室で一人、すぐれない体調で過ごしていると不安が増すのかもしれません。孤独感も増殖するのでしょうか。それらを払拭するために、人の気配を感じていたいと思うのか、ずっとYouTubeを流してました。そこから流れる人の声を子守歌代わりにしながら、うとうとと眠ってしまうこともしばしばありました。
昔から、入院をしている人の病室にテレビがあったのは、そういうことだったのでしょうか。単なる暇つぶしの道具ではなく、心の療養に役立っていたのではないか、孤独と無音の世界で人は生きていけないか、と思うようになりました。たとえ体調が悪くても、人の声が恋しくなるのです。
人の声はビタミン剤なのでしょう。
かしこ
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